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商品バーコードの可能性をビジネスモデルに インバウンド消費を掴むアプリ

株式会社Payke(ペイク)が提供する訪日外国人観光客向けアプリが、注目されている。日本の訪日外国人客数は2020年には3,679万人と予測され、国内インバウンド消費は1兆8,764億円規模とも予測されている(矢野総研調べ)。Payke社が提供するアプリは、今年に入りアジア市場のAppStoreで1位を獲得するなど、「海外から日本に旅行する際のお役立ちアプリ」としてメディアやクチコミで広がりつつあるようだ。
そんな市場を賑わしつつある沖縄発ベンチャー企業Payke社にお邪魔し、社長の古田氏にお話を伺った。

日本にあるモノを外国人に伝えることの難しさをビジネスチャンスに変える

古田氏はPaykeを立ち上げる以前、外国人に日本の商品を販売するECサイトを沖縄で立ち上げ運営している。その時に、日本人には当たり前に感じている(知っている)モノでも、外国人にとってはよくわからない、伝わらないということが結構あることに気付いたという。例えば、もずくを売る場合、日本人はもずくというものが、どんなものなのかを知っている人が多い。たとえ知らなくてもある程度の説明で、どういう商品なのかがイメージしやすい。これが外国人となると、食文化の違いなどから、日本人に対する説明とは同じようには行かないことに直面する。ただ単に売るだけ、ただ単に商品名を伝えるだけでは、売上の機会損失を起こしている..。
 
商品購入予定者に対して、その人が必要としている言語で、欲しいと思う情報をわかりやすく伝えることができたなら…?
面白いかもしれない。この想いが、後にPaykeを誕生させるきっかけとなった。

旅行者の不便を解消し、店舗にいる消費者とメーカーの距離を近づける価値の探求

商品を他言語化する上で、古田氏が着目したのはバーコードの価値。商品管理に使われているバーコードをIoTビジネスとして上手く仕組化することができたなら、ビジネスとしての裾野は大きい。
その仕組化にあたり考えたのは、旅行者の不便解消(購入意思決定の参考となる商品他言語化情報の提供)と、企業が商品情報を発信できる場を創造しその架け橋を担うことだった。
 
古田氏は事業化を進める上で、バーコードを作った世代は、僕たち20代よりずっと上の世代。若い僕だからこその発想で、今の時代に見合った「アプリ」を使ったビジネスが展開できるのでは?と思ったという。

旅行者の不便解消と参画企業の商品を販促させるビジネスモデル

語学が堪能な人はともかく、海外旅行をしていて「この商品っていったい何?」「見た目がかわいくて、お土産に良さそう」「人気商品を買って帰りたい」「買ってみたいけど…商品のことがよくわからない」「お店の人に聞いてみたけどイマイチよくわからない」などといった経験を持っている人は、少なくないだろう。このような経験は、来日する外国人にとっても似たような傾向がみられるようで、古田氏によると、Paykeを導入している商品を小売店のPOSデータからスキャンデータを組み合わせて分析した結果、客単価が平均3割上がるとのことだ。
 
最近では、社内データの蓄積から、消費者の行動や興味関心が分析できるようになってきたという。そのデータ分析とデータには見えない人の動きを理解しながら、都市型モデルと地域モデルに分類しPaykeを広げて行く計画だ。古田氏は、データを分析することは重視しているが、それよりもそこには見えてこない人の動き創る動機となる「興味•関心」を見落とさないことが重要だという。
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商品の魅力を伝えるコト支援インフラ

Paykeの提供するビジネスモデルは、実際の商品を消費者が手に取れる「場」において消費をスムーズにする、販促につなげるインフラとしての役割を担う可能性を秘めている。お店の人にわざわざ聞かなくても、その場で気になった商品情報がリアルタイムに見られるなら、便利だ。
 

Paykeのイノベーションは、まだまだ始まったばかり。この4月にオフィスを移転し、人員を増やし体制を強化していくとのこと。
「今にはないバーコードをチェックして商品を見てみる当たり前や、バーコードに当てて商品を購入する当たり前」が「未来の当たり前」になっているのだろうか?
今後どのようにサービスを充足させていき、市場を捉えていくのか。商品バーコードの可能性に価値を見いだしたビジネスモデル。インバウンド消費者の心を掴むアイデア発想から始まったPayke。今後の彼らのビジネスモデルイノベーションに注目。

 

 

 
■ 参考
Payke企業情報
 
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