日本初!Ship&co世界中どこへでも簡単に発送ができるEC出荷管理システム登場
京都に本社を置く株式会社BERTRAND(ベルトラン)から、海外発送をより簡単にするEC出荷管理システムShip&coが今年リリースされた。社内で培ったノウハウを活かし、海外発送する人の不便解消にフォーカスし、便利なEコマース向けの出荷管理システムを誕生させたベルトラン社のビジネスモデルイノベーション。その起源から現在まで、そして今後の展望についてお話を伺った。
Ship&coを立ち上げたのは培った知識資産から得たもの
Ship&coを運営しているベルトラン社を立ち上げたのは、フランス人であるベルトラン トマ氏。
もともとは、政治ジャーナリストを目指していたとう。それに向けてブログを開設し、フランス語で毎日記事を発信していたという。そんな日々を送っていた2008年のある日、母からある雑誌を見せられた。「こんなのがあるわよ」と。それは、ファッション雑誌で日本のお弁当が紹介されているものだった。それを見た瞬間、ベルトラン氏は「お弁当箱売れる!」と直感的に思ったそう。それから、3週間でお弁当を販売するサイトを開設、2社から5万円くらいでお弁当箱を仕入れて販売の準備に備えた。ECサイトでお店を開いてからは、1時間で商品が売れた。そんな簡単に売れるものか?と思ってしまうかもしれないが、ベルトラン氏は、「1時間で売れたのには、第一に、その前に3、4年間ブログで毎日毎日記事を発信していて、そこでファンになってくれた人たちがいてくれたおかげ。お弁当箱を売ろうと考えてからは、商品の撮影やECサイトが出来上がるところをブログでシェアしていたから。」そこが大きかったのではないかと言う。
海外で受け入れられる、日本にいると中々気づけない日本の魅力
お弁当文化は、海外にはない魅力があるという。そもそも容器としては、海外には、タッパーくらいしかないけれど、日本にはたくさんのバリエーションがある。お弁当の中身は、‘小さいけれどフルコース’だという。見た目も楽しい。その根底には「誰かのために創る」思いやりがある。母が子供のために、父親が子供のために、奥さんが旦那さんのために、恋人のために、自分自身のために、みんなで楽しむ場のために。お弁当は、ただ単に食べるものを詰める容器ではなく、人と人を繋ぐツールでもあることを改めて気付かせてくれる。
ECサイトとリアル店舗 ダイバーシティの活用が生む他にはない店舗創り
2008年に個人でECサイトを開設し、2010年に株式会社BERTRAND 創立してからも、しばらくはECサイトのみでお弁当箱を販売してきた。80%が海外顧客。主にフランス、アメリカ、オーストラリアだが、現在までに約100カ国に輸出してきたという。
2012年 4月には、実店舗を構えることになる。実店舗では、ECサイトでは伝わらない、商品の良さを見せる、見せ方にこだわっているという。例えば、お弁当箱を単に袋から出して並べるだけではなく、紙の帯を巻いて展示している。この一工夫が、お弁当箱に高級感やオシャレ感をもたらしている。
リアル店舗は商品を’買う’からそのブランドが体感できるブランドアタッチメント創造の場へ
店内は、いかにも‘和’にしておらず、行き過ぎない‘POP’感を演出している。お弁当箱の並列は、和のコーナー、海外もの(Bento&coでは、一部、海外ブランドを取り扱っている)などと分けてはいない。それぞれが喧嘩しない、共存するスタイルで展示されている。
外からみるショーウィンドウも同じ。
行き交う人が多く足を留め、ショーウィンドウを見入る光景は、取材中に何度も見られた(取材中、お店は閉店時間)。ECサイトでは感じ取れない実店舗ならではの、実際に商品に触れられる、見れる、ことに加え日本にいるようで日本ではない?Bento&co独自の空間を体感できる。
ベルトラン社のメンバー構成はインターナショナル。そのダイバーシティを活用すべく、インターナショナルな意見を店舗創りや商品開発に取入れている。
最近では、お弁当箱を仕入れて販売するだけではなく、自分たちでも商品の開発を行っているという。その基本は「自分たちがほしいもの」。あるお弁当箱は、フランス人の使用価値に見合うサイズで販売したところ、昨年一年間だけで、フランスで約2万個売れたのだそう。
便利な海外向けEコマースがない!Bento&coのノウハウから生まれたShip&co
CEOであるベルトラン氏は、お弁当箱を海外に発送するビジネスを自身がやってみて、CSVやコピー&ペーストが面倒くさく効率が悪いな、なんとか改善できないかなと思った、という。しかし、日本にはそのようなサービスはなかった。だったら自分でやろう。便利なEコマースセラー向けの出荷管理システム、使い手にとっていいもの、1クリックで送り状を作れるもの。自分以外にも不便を感じている人はいるはず。人員不足が言われる中、海外出荷の効率化を図りたい、効率化を図れる企業の潜在ニーズは多いはず。その想いがShip&coを誕生させる。
Ship&co は国内外の主要な運送会社と提携しているため、顧客は状況によって運送会社を選べる。Ship&coのビジネスモデルは、1クリックで送り状を作れることに運送会社を絡めているため、ベルトラン社は営業チームを持っていないが、運送会社がShip&coのセールスをしてくれるという相乗効果が生まれている。
Ship&coのビジネスモデル:
ベルトラン社は今後、Ship&coのビジネス拡大にも注力していくという。アジア、ヨーロッパ向けに需要を見込んでおり、来年には、シンガポール、フランス、オーストラリアにShip&coのビジネス拠点の進出を検討している。
■Ship&co出荷管理システム
■ベルトラン株式会社